タイトルのとおり、「ベクトル解析」からの「微分幾何」の入門書です。曲線論(曲率、捩率、フレネ・セレの公式など)から曲面論(平均曲率、ガウス曲率など)、そしてガウス・ボネの定理へ向かう流れが、ベクトル解析とともに説明されています。
数学書~愛すべき名著~(http://suugakusho.seesaa.net/article/406455490.html)によると、「曲面のガウス曲率は第2基本形式に依存しない」というガウスの“驚異の”定理の話題を含め、「微分幾何の教科書として基本的なことはしっかりおさえつつ、非常にドラマチックな構成になっている」との書評です。
個人的には、11章の位相幾何の内容は再読の必要がありますが、やはりオイラー(この本では多面体定理が紹介されています)やガウスの発想や功績の凄さがよくわかります。
そういえば、後半(11章?)で小平邦彦先生の名前がちらっと出てきたので、小平先生の「怠け数学者の記(岩波現代文庫)」に加えて、フィールズ賞つながりで広中平祐先生の「生きること学ぶこと(集英社文庫)」 を読んでみました。広中先生は学部は違うものの同じ大学出身ということで、個人的には後者の方が語り口など含めて読みやすい印象でした。
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